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さぶ 山本周五郎

さぶ 山本周五郎

江戸人情噺。さぶと栄二という二人の職人の友情物語。

栄二は盗みの汚名を着せられて寄場で三年間強制労働させられる。心を閉ざしていた栄二は寄場で、色んな人と出会い、人間の心を取り戻していく。

人生はうまくいっていても、落とし穴がある。落ちた人間は自暴自棄になるが、また這い上がれる。その為には良い人と出会わないといけないし、偶然の運も必要だろう。

才能のある人でも10人の普通の人に支えて親切にしてもらわなければ、その才能を開花出来ない。噺家も同じであろう。

だからこそ、10人の普通の人に親切にしてもらわなければならないからこそ、良い人でなくてはならない。