セールスマンの死 アーサー・ミラー
かつて凄腕セールスマンだったウィリーは、年老い、得意先も減って会社を首になろうとしている。
帰宅すると妻が家のローンの事や、家具が壊れたとか、現実的な嫌な話ばかり。かつて期待した息子は定職に就かづフラフラしている。
全てに絶望した主人公は…タイトル通りの行動をとる。
あらすじを書くと、日本の最近ニュースになっている典型的な引きこもりの家庭である事が判る。
劇の時間軸はウィリーが帰宅してから自殺するまでのわずかな日数であるが、その間に良かった日々の回想シーンが数回入る。文章で読むと判りにくいが、それでも回想シーンが段々、ラストの悲劇に向かって盛り上がっていくのが判る。ウィリーが段々気が狂って自殺に向かっていく。
劇で実際に観たら回想シーンのウィリーは別の役者がやったり、また別の衣装を着たりしてよりわかりやすいのだろう。
最近家族の物語を読む度、2つの視点で家族を考える。
子供の頃の僕から見た家族。両親教師と勉強出来る妹。
そして落語家の父とフリーの編集者の母を両親に持つ息子。
この物語で改めて真理が示されている。
?子供に過度の期待をかけてはいけない!?
僕がかつて悩んで乗り越えるのに時間がかかった事実である。